水が止まった
チャングは今日は家でお仕事
そう、私デザイナーです
昔は会社の中でインハウスデザイナーとして働いていたけど
気がつけば農的ジプシーになってて、畑にでたりなんかして、デザインとは一見遠いことをしてるようにみえる
だけど、もっと生活を作るとか、仕事のあり方を模索するとか、なんか全くうまく言えないけど、広い意味でデザイナーとして生きていきたいし、可能性は広いと思うのです
そんなデザイナー論は置いといて、
仕事の途中ちょっとコップをすすごうと水道の蛇口をひねったら、うんともすんとも手応えがない
モデルハウスの蛇口のサンプル回してるのかと思うほど
あ、水止まったな、工事かなんかかなと、ということでとりあえず放置
私は携帯を日本に帰ってきてから契約してないので、電話番号を持っておらず、シェアハウスの管理人さんとは連絡とれないのです
だから確信がなくとも工事かなと想像することでとりあえず解決
あら、でも部屋の水、井戸水だよな、井戸水の工事ってなんだ?っていう疑問だけ残る
そう、シェアハウスワイキキの部屋の水は井戸水です
とりあえず仕事に戻ると、彼が農作業から帰宅
管理人さんから水道工事等の連絡があったかと聞くと、ないとのこと
あれれと思いベランダにでると、ベテランの住人さんがタバコをふかしていたので、声出して聞いてみる
「明治さ〜ん、明治さんの部屋、水出ます?」
すると、明治さん、「あぁそりゃ井戸水枯れちゃったな」
井戸水が枯れる、うん、頭では言葉の意味はわかるけど、元シティガールとしては、ビジュアルも想像できない遠いこと
明治さん、2月にも関わらず、素足にビーサンでワイキキの下へと階段を降りていく
私も慌てて部屋から外に降りて出て、明治さんが行った先を追いかける
追いかけた先、シェアハウスワイキキの地下、恐るべし奥行き
広いトイレやシャワー室が並ぶ中、一番奥のボイラー室のような部屋に明治さん発見
全身濡れたウェットスーツにサングラスのご老人もいる
こんにちはと挨拶するも無視
このご老人がどうもここのオーナーらしい
彼はひたすらボイラー室的部屋で同じ説明を明治さんに繰り返していたけど、私は全く彼の言葉が理解ができなかった
つまり、機械が壊れたとかではなく井戸水が枯れたからどうしようもない、節水してくれ、とのこと
フランスにいたときもたまに水が止まることがあったので、慣れたもんだよというスタンスで部屋に戻る
とりあえず、彼と夕食を済ませる
共同キッチンが1Fにあり、そこは井戸水ではなく水道を引いてあるので、料理に差し支えはなかった
飲料用の水も買ってあるし、余裕でしょと思う
夕食、取り分けの際に少しこぼれた汁を台ふきで拭く
あ、台ふき洗えない、ただでさえ臭いのに悪化しちゃう
食後、もちろんお皿が洗えない
1Fのキッチンまで行けばいいのだけど、面倒くさいのでとりあえず放置、あぁこびりついちゃう
あぁトイレしたい
用をたすだけなら水使わないけど、流さないと臭くなっちゃうしね
けど、我慢できず彼に了承を得て用をたす
もちろん小さい方
なんとかタンクに元々溜まってた水で流れた
安心したのもつかの間、あぁ手、洗えないじゃん
こうやって見ると、意外とちょこまかお水は使ってたんだなぁと改めて実感
そして、節水という概念
今までだと、水を使いすぎる=水道代が高くつく 節水=節約 なんて図式しか頭になかった
自分がジャージャーと水を使うことで、井戸が枯れちゃうなんて
こんなに目に見えて水がなくなることを体験して、改めて「節水」を考える夜となりました
いつもはお風呂入るの面倒くて、うだうだして、あっという間に時間が過ぎるけど、
強制的に入れないとなると、時間がぽっかりとできるもので
そんな空いた時間に、絶え間ない波音を聞きながら、資源としての水ということを考える夜でした
まだまだワイキキのお水は止まってます