農的ジプシー

農的ジプシー生活のあれこれ

ヒッピーというか、何なんだ?

チャオ、

イタリアでこの記事を書いている。

 

今日はワイン用のぶどうの樹を手入れした。

枯れ木のような枝の先端には、よく見ないとわからないが、

新しい枝の蕾がある。

いまの感じではとても秋に収穫できるようには見えないのに。

植物の成長はスゲーな。

 

 

さてまたロンドンでの話をしよう。

 

ヨーロッパの街には、どんなに都会であっても憩いの場がある。

公園だ。

公園といっても遊具があったり、おじおばさんがゲートボールするようなイメージではなく、例えば代々木公園のようなかんじかな、東京でいえば。

そういう大きな公園が何ヶ所もあったりする。

ぼくはサンドイッチとコーヒーかビールを持って、ゆったりしに行くのが好きだ。

 

そんな公園がロンドンにも、いくつもある。

でも今回は行かなかった。

寒いから。

 

なんやねん、

でももっとニッチなところを観光がてらに攻めたのである。

その名も、

ノマディック・コミュニティ・ガーデン(Nomadic Community Garden)。

 

僕らはアーバンファーム(都市農業)に興味があってロンドンでも探して見た。

屋上農園とかそういうのである。

 

そしてネット上で見つけたここを訪れてみた。

といってもよく調べて行った訳ではなく、

いくつかめぼしい所をグーグルマップ上にピンで印をつけていて、

たまたま何かのついでにそこが近いということになって行ったのだ。

 

 

最寄りの駅で電車を降りて、線路沿いにあるそこに歩いて行った。

町の雰囲気は若者タウンで、だぼだぼズボンやジャラジャラアクセサリーの店、

クラブが多い。壁には一面にスプレー画。

観光でくる人は少なそう。

 

さてガーデンに向かう高架下では、まさに今

、若者が何人かでスプレーペイントしていた。

ゴミだらけのあたりにはシンナー臭が漂う。

 

ああそういう感じか。

 

「帰ろうか」

 と僕が言い、チャングも不安げだった。

 

だがせっかく来たのだから一目だけでもとガーデンに入った。

 

んー、どう形容すればよいか、

植物とDIYと前衛アートとガラクタが混ざったような空間。

都会のすきま。

そう遠くないところには都心のビル群がみえる。

 

よく知らないがヒッピーのような?

 

こういうものを見慣れていない僕は臆してしまう。

お世辞にもセンス良くも居心地よくもない。

 

でもどこかで子供達の笑い声が聞こえるし、

ソファーでのんびりと語らっている男女もいる。

掘っ建て小屋のアトリエでなにか制作してるような人。

天気が良いこともあってのどかな感じもする。

 

浸かってしまえば自由で気持ち良いかもしれない。

コミュニティってそういうものなのかな。

 

スプレーアートだって、そればかり見ていると、

良し悪しがわかってきて楽しかったりするのかも。

 

自分が不慣れでよく認識できないものを、

趣味が悪いとかで片付けてしまいがちだが、

世界を狭めているだけなんだろうな、

とか思った。

 

とにかくどんな形であれ、人が自分で自分の生活を形作ろうとする、

自分の食べものを育てている、

そんな光景をもっと見たいものだ。

 

ヒッピーでも、オシャレなオーガニックでもなんでもいい。

 

 

 

さてその近くにはもうひとつガーデンがあった。

 

スピタルフィールズ・シティファーム(Spitalfields City Farm)

 

ガーデンというかファームだ。

ヤギ、ろば、ニワトリ、羊などの動物もいる。

そしてあのクニクニ豚もいた。

イギリスには結構いるのか?

 

こちらも市民に開放されているが、より社会的な感じだ。

こぎれいで、ルールがしっかりあり、

普通の家族づれが動物とふれあいに来たりしている。

スタッフも何人かいて、ボランティアもいるようだし、

経営はしっかりまわっているよう。

 

 

何がこの印象の違いを生むのだろうか?

 

でもそんな性格の異なる2つのガーデンが隣接しているのは豊かだな。

この都市のゆとりを感じる。

 

というわけで、大都会ロンドンの、

観光視点とは別の一面を見ることができた。

 

そんな午後。