農的ジプシー

農的ジプシー生活のあれこれ

ロンドン観光 ピエール・ボナー展

3月8日 金曜

 

この日から4日間のロンドン観光。

 

オンタイムでは我々ふたりは、イタリアのプーリア地方にいる。

ここ何日かは怒涛のように日記的ブログをあげてきたが、ちょっと趣向を変えよう。

 

サンフィールドでの日々は我々の将来に関係してくるかもしれないので、記録をとっておくという意味で毎日の出来事を詳細に記した。

でもロンドン観光は楽しむだけであるし、情報も感想もネット上にあふれているので

事細かに書くのはやめる。

純粋に現在までも心に残っていることだけをつれづれ書いてゆこう。

 

 

僕は観光地を見るのがあまり好きではない。

人混みが好きではないし、観光客のためにつくられたようなシーンをみると興ざめしてしまう。

ひねくれているからだ。

純粋にものごとを楽しめればどんなに楽かと思うが仕方ない。

 

一方でチャングはミーハーな部分があり、全面的に何かを楽しむことができる。

観光向きのタイプのひとなのだ。

 

彼女と行動すると、疲れることもあるが、楽しいことも多い。

街歩きはシティーガールとするに限るということを最近知った。

 

さて、ロンドンの国立ミュージアムは無料だ。

そのかわり、私設のミュージアムはバカ高い。

行こうと思っていた交通博物館なんて18£、3000円もしたのでやめた。

 

結局今回のロンドン滞在で入場料を払って入ったのは、1つだけで、

テートモダンで催されていた、フランス人画家Pierre Bonvardの特別展だった。

知ってて行ったわけではなく、そこで偶然見かけたポスターの色遣いが美しかったので入って見る気になったのだ。

長く美術を学んできて、デザイナーとしても働いていたチャングが心を動かされていたので相当良さそうだ。

僕は彼女の芸術的センス、美的センスは全面的に信頼している。

そういう訳で入ってみた。

 

ちなみにテートモダンは、元発電所を改装してつくられた大きなミュージアムで、

常設の展示は無料、しかも屋上の展望テラスにも無料で入れるのだ。

テムズ川を挟んでむかいにはセント・ポール大聖堂が望めるという好立地。

 

 

絵は美しかった。

テーマとしては、浴室の女性や南フランスの風景が多い。

自宅の窓から外が見えるような絵も多かった。

 

多彩な色合いの素晴らしさ。

時がながれてゆく空気感が伝わって来る。

 

僕はこういう絵を見ると、画家には世界がどんな色合いをもって見えているのだろうかと思ってしまう。

僕が仮に高度な画力を持ち、おんなじ情景を見たとしても、こういう表現には絶対にならないのだ。見える世界そのものが違う。

なにか、描かずにはいられないようなすごい衝動が湧いて来るような見え方をしているのだろう。

 

素晴らしく鋭敏な視覚をもつ人間のフィルターで切り取られた世界。

これを見れるのが絵を見る醍醐味でもある。

 

このタイミングでこの展示が見れてよかった。

 

そして絵心をつつかれた我々はこの後、少しづつ旅のスケッチを試みるようになる。